「知・体・心・技-『情報』の本質」

  防衛戦
不況の中、政界や官界では『百年に一度』などと言っていますが、 このフレーズには言い訳的な響きが伴っています。「百年に一度の異常な状態なのだから政治や行政の責任ではない、と言っているように聞こえる。」 経済新聞のコラムにそのような表記がありました。
しかし企業家はそうは行きません。誰の責任で起きた不況だろうが企業を守る責任がトップにはあるからです。歯科医院も同じです。
院長には医院を守り、従業員を守る責任があります。ここは一番、知力と気力を振り絞って防衛戦を展開しなくてはならないのです。

経営資源はどうなっているか


防衛戦を展開するに当たり、確認しておかなくてはならないことがあります。それは自医院の経営資源の現状についてです。
経営資源とはヒト・モノ・カネと言われています。歯科医院でいうと、ヒトは従業員、モノは設備及び設備を利用する技術、カネは財務になるでしょうか。
これらの 経営資源が今どのような状態なのかを客観的に評価し確認しておく ことは常に求められることではありますが、特に経営環境が厳しくなってきた今は、是非とも行っておかなくてはならない喫緊の課題であると言えます。

アスリートの経営資源


経営資源を客観的に評価するに当たり、スポーツにおけるアスリートの能力評価になぞらえて考えると 理解しやすいと思います。
武道から発した言葉かと思いますが、『心・技・体』という言葉がスポーツ界にはあります。これはアスリートが競技成果を挙げる上で活用する“経営資源”と捉えることができます。
そこで『心・技・体』を『ヒト・モノ・カネ』に照らし合わせてみると、心がヒト、技がモノ、体がカネにそのまま重なっていきます。
つまりアスリートとしての成果を上げるために不可欠な精神力・技術力・体力は、企業経営における『頑張る従業員』、 『競合を凌駕する技術力』、『経営体力としての財務』にそれぞれ相当してくるように思われます。

『知・体・心・技』


ラグビーU20日本代表の監督を務める、元日本代表キャプテンの薫田真広氏はアスリートに必要な要素を重要度別に 『知・体・心・技』としていました。つまりアスリートは『知』の部分が一番重要で、考える力がなければ優秀な成績は上げられないと言っているのです。

『情報』の本質


経営資源の考え方にも、やはり『知』に相当する部分である『情報』を最近は加えています。 『情報』というと直ぐにITだろうと思う向きがありますが、『情報』は何もITばかりではありません。
『情報』とは、組織全体に備わる知識全般や組織内に蓄積された知的な判断力などが基本にあります。 それに加えて情報収集力、情報選択力、そして情報ネットワークなどがあり、その一部に効率的なツールとしてのITがあるのです。 ですから『情報』イコール『インターネット』とする短絡は、却って視野を狭くさせ折角の知財を枯渇させる危険性をはらんでいると言えるでしょう。
新しい情報、蓄積された情報、それらを整理しいつでも活用できるようにしておくことが財務で失敗しない要諦でしょうし、 財務が安定していなければ人材確保も人材育成も不調に終わるでしょう。

情報の重要性は、量よりも選り分ける判断力


組織には、洪水のように襲ってくる情報の波の中から正しい情報を選り分ける常識的な判断力と、 効果的に活用できる賢さを備えておかなくてはならないのです。それには個人々々それぞれの知識や知的センスが必要なことも当然ですが、それに加えて 組織としての知力を高める努力 をしておく必要があるということです。
一人ひとりの社会常識を高め、組織内でそれを交流させる。即効性はありませんが、3年後、5年後の『医院力』を高めることに必ずなる はずです。

この文章は、株式会社DBMコンサルティング発行「Management Club Report Jun.2009/Vol.78」より
宮原秀三郎著『減収でもいい、増益を目指そう!』の内容を一部抜粋したものです。




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