「二流の自覚から『超一流へ』」

  一流の特例
世の中には凄腕の料理人が経営する“激ウマの店”なるものがあって、 妙にぶっきら棒でろくすっぽ挨拶などしない店主に時折出会うことがあります。
顧客心理とは不思議なもので、それが逆に料理の旨さを引き立てるように感じられ、 「オヤジは無愛想だけど、料理は絶品!」といったクチコミが広がり、『行列のできる店』を作っていくことがあります。
『技術に打ち込むが故の無愛想』と、態度の悪さが却って技術の良さを際立たせるかのごときプラス評価となるからです。

二流の自覚から『超一流へ』


しかしこれは、圧倒的な技量の持ち主に対してのみ与えられる特異な評価であることを理解しなければいけません。 一流とはいえない僅かばかりの技量を過信して「技術第一、対応は二の次」などと超一流の仕様を真似ることは 実に恥ずかしい行為で、失笑を買うばかりであることを認識すべきです。
一流への技術を磨きつつもまだまだ不十分であることをわかっていれば、 自ずと言葉遣いも態度も謙虚で礼儀正しいものになるはずです。 一流の技術を目指す者は、発展途上であったとしても少なくとも対応に関しては謙譲美を持った一流のものであるべき だと思っています。
また 周りからそのように見られることによって、人は周囲の目に応えようと、中身を磨く方向で努力をする ようになります。
周囲の期待が高まるとそれに応えようとして行動することを心理学では『ピグマリオン効果』と言います。

誠意を伝える道具を持たないスタッフ


真面目なスタッフであればあるほど技術教育の成果を実直に果たしています。 残念なのはその教える項目の一つに話し方や身嗜みや態度が入っていないことです。
教育がないために 純真なスタッフは自己流で親身さを出そうとするのですが、残念なことに伝わりかたが不十分であったり、真意と懸け離れた受け取り方をされたりしている のです。
今の若い人たちは、話し方や態度について家庭や学校で習って来ていませんので、医院で教育してあげなければ分からないのです。
「もっと素敵な女性になれたのに」
「顧客の信頼をたくさんもらえたはずなのに」
そう感じることのできる気質の優れたスタッフは大勢います。悪い言葉遣いをしているわけでもなく、ふてくされた態度をとっているわけでもないのに、 集団規範がおかしいものであるがために成長できる機会を得られなかった かわいそうな人たちです。

院内教育システムの構築と真の中間管理職


組織の中で人が能力を開花させ、組織自体が活性化していくためには、 よい集団規範を作り、維持し、さらに高める。これしかありません。
新卒者や中途採用者に対しての『新人教育』『組織人教育』、未熟者に対しての『再生教育』などをプログラムし、 週1回カリキュラムに則って実施していくシステムです。
システムを有効に稼動させるためには、実施責任者を決め、手当を付けてでも確実に行っていくことが重要です。 『仲良しスタッフ対院長』という構図から逸脱するため、スタッフ間の軋轢が生じる覚悟が必要です。
対立の構図を打破していくために、真の中間管理職としてのチーフスタッフを確立することができるかどうか、 活性化の決め手はここにあると言っても過言ではありません。

この文章は、株式会社DBMコンサルティング発行「Management Club Report Aug.2009/Vol.80」
宮原秀三郎著「Monthly Opinion『朱に交われば赤くなる』」の内容を一部抜粋したものです。




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