歯科業界ロングインタビュー 東京歯科大学第5回公開講演会(第4回)

東京歯科大学講堂
講演後、演者である小田教授と成田さんを交えて今までのあゆみとこれからについてお話を伺ってきました。

今日の講演会について


でんたろう 今回の講演会内容ですが、想像していたより随分とアカデミックで専門的な内容でしたが、質問の内容を聞くと聴講されている皆さんは非常によくそれを理解されていた、かなりレベルの高い公開講演会で驚きました。


成田 ええ。アンケート結果を見てもらうとわかると思うのですが、地域の人の人たちも大勢居るんですけども、案外専門家の方が、遠くから、


小田 (笑)


成田 いらっしゃっているという(笑)ことですよね。ですから、ちょっとお話と内容が高度になったりするということですね。


でんたろう なるほど。質疑応答で地域の方がされる質問は非常に身近なもので、ときどき高度な質問が、


小田 ありましたね。


質疑応答から



でんたろう 質問を聞いていて感じたのは、皆さん歯科医院に通ってらっしゃる方がほとんどだと思うのですが、そこで聞きたいことがあっても聞けないということが多いんだな、ということです。


成田 そうですね。患者さんとお医者さんの関係になるとなかなか聞きづらいところもありますよね。



でんたろう 確かに、私も紫外線を当てて固定する歯科材料、詰め物ありますよね?


小田 ええ、ありますね。



でんたろう あれを最初にやられたときは何をされているんだろうと思いましたが、聞けなかったですね。口をあけている状態だというのもあるんでしょうけど。


成田 痛くないですか、ときかれても答えられないですからね。(笑)



でんたろう 確かに。(笑)


中国産技工物の問題から


でんたろう 今、中国製の歯科技工物が非常に多く出回っているというのが騒がれていて、やはり口に直接入るものだということで、気にしている人も多いとは思うのですが、では実際に歯科医院に行って、「今型取ったそれは、どこに出すんですか?」とは聞きづらいですよね。


小田 ええ。中国の技工物は歯科医師の裁量権の範囲で輸入して使うわけですから、歯科医師がきちっと説明するべきだと思いますね。



でんたろう くくりとしては個人輸入物という扱いなんですよね?


小田 はい。ですからそれは、今普通に使われている材料じゃないですよ、ですが、こういう材料を使ってちゃんと治療をしますよ、ということはきちっと歯科医師が説明するべきだと、私は思いますけどね。


成田 そうですね。



でんたろう 今回の講演を聞かれた方が、「ああ、技工物っていうのは大事なものなんだな」という認識を持って診療にいければいいですよね。


成田 普通、患者さんはお医者さんに薦められるときに、それがどういうものであるか理解していることは少なくて「お医者さんが薦めるから大丈夫だろう」ぐらいの意識でおりますからね、今日のようにいろいろな材料があって、詳しく話をきくと、今までとは違う認識もできたかもしれないですね。そういう点では、非常によかったんじゃないかなと思います。



でんたろう 私も、なんで陶器の材料が歯科材料に?と思っていたんですが、「ご飯は陶器に入れるでしょう?」という説明を聞いて、熱も伝わりにくいいい材料なんだということが理解できました。


歯科が果たす役割


でんたろう 地域は違いますが、歯科医師の先生が児童虐待を発見して通報した、というニュースが一時期注目されていました。
地域全体における大学の歯科というものが果たす役割というのも変わってきて居るとは思うのですが、歯科業界全体が求められるものも変わってくるのでしょうか。


小田 ええ。というのも、今までは歯科治療には通える人が通ってくるというのが主流でしたよね。熱が出たというので往診する医者はいたけれど、歯科にはそういうのがあまりなかった。
ですが、今では在宅の人にも診療できるように、機器なども整ってきましたので、益々地域の人と歯科治療とのかかわりが今以上に出てくるんじゃないかなと思います。
ですから、健康な人が歩いてくるだけの治療ではないと。
むしろ、寝たきりになっている人ほどちゃんと、食べられるようにしてあげると寝たきりじゃなくなってくるんじゃないかなと思います。



でんたろう 確かに、つい最近まで、寝たきりの方の口腔環境までなかなか世間が注目するということはなかったですね。


小田 たとえば、病院にお年寄りが入院すると、間違って飲んでしまうと危険ですから、入れ歯外しなさいと(言われる)。外したままの状態が何年も続くことは、当然として何年も物を噛まないわけですから、脳の活性化もないし、次第に呆けたままになってしまっていくということの原因じゃないかという話もありますからね。



でんたろう 確かに、脳に近い部分で、神経も多く通っている部分ですから、ケアは大事ですよね。


小田 最近は、そういうことがよく、見直されてきているかなと感じます。



でんたろう 他の診療と合わせて患者さんをケアする必要がある場面が多くなり、なおさら歯科材料の重要性が注目されているんですね。


小田 はい、そういうことです。


在学生の受け止め方



でんたろう 大学がこういった公開講演会を主催することについて、学生さんはどのような受け止め方をされているのでしょうか。


小田 講演会のポスターは構内にも多く貼ってありますので、学生にも多く周知されています。
年に一回東歯祭というものをやっています。いわゆる大学祭ですね。開催している2日間での外部参加者の延べ人数は3000人くらいですかね。そういうときも講演会をやったりはしています。
あと、大学院生が無料の検診をやっています。そういった意味では学生も、将来自分が歯科医師になるんだから、地域の人たちとの結びつきが大事なんだなということを認識するんじゃないかなという風に思います。



でんたろう 地域の方々との共生という意味では生きた学問を学べているんですね。


小田 実は今日(講演会の内容と)一緒に、プリントを配らせていただいたんですが、市民公開講座という、これは1回から10回まであるんですが、ここに、実習ボランティアとして、本講座を通じて本校の授業・実習をボランティアしてくださる方を募集しています、と。つまり地域の患者さんがボランティアで大学に来て、学生さんの教育に来て、これしっかりやってね、といえるような患者さんが出てくれないかなと。つまり患者さんと一緒に作る歯科医療というものを目指しているというわけでございまして。



でんたろう そうすると、患者さんから容赦なく指摘が入るような勉強が出来ると。


小田 患者さんに対してコミュニケーションが取れる、取れなきゃいけないわけですよね。



でんたろう そうですよね。難しいところだとは思いますが、20前後の学生さんが自分よりもずっと年配の方々とコミュニケーションをとるというのは難しいことだと思いますが、いつかは通る道ですものね。


小田 ええ。ですから、私たちは自分たちが学生にやる講義だけでは不十分なんだなという風に思っているわけですね。
かといって患者さんをそこに連れてきて…というわけにはいきませんので、そういう意味でボランティアの方がそういった講義に参加してもいいよとかですね、そういう方がおられたら一緒に学生を教育できるという、そういった歯科大学教育を目指せるんじゃないかなということです。
この下にP-comと書いてありますが、ペーシェントコミュニティーと私どもが呼んでおりまして



でんたろう 患者さんで作るコミュニティーということですか。


小田 そうです。東京歯科大学が作るペーシェントコミュニティーに参加していただけないかという活動も今始めています。教育の一環としてそういうことができればということを目指しています。



でんたろう 地域と共生すると言う観念から一歩踏み込んだ、地域全体で歯科学生を育てるというような歩みが始まるということですね。


小田 まさにそういうことです。



でんたろう この地域で育った歯科学生が、最終的にこの地域の歯科医療に貢献してくれるという期待も膨らみますね。


卒業生へ


でんたろう それでは、実際に現場で奮闘している卒業生の方々に、母校のこのような取り組みから何を感じ取って欲しいですか。


小田 若い卒業生はどちらかというと精一杯なのかもしれませんけど、今日みたいに、どちらかというと年配の人たちが多いですけれど、そういった人たちが非常に関心をもっているということ、来ていただける人というのは好奇心や関心がある人たちだと思うんですよね、そういった人たちがいっぱいいるんだよという意識を持ってですね、また一般の方でもこういったところで知識を得て来ているんだよと言うことを(笑)


成田 (笑)


小田 認識して欲しいなと思います。



でんたろう いい意味で脅威になっているんだよ、ということですね。正しい知識を持った患者さんがこれからどんどん増えていくということですね。





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東京歯科大学 PROFILE
東京歯科大学は、私立の歯科単科大学。
前身は1890年に歯科医・髙山紀齋によって芝区伊皿子(現在の港区)に作られた「髙山歯科医学院」で、1900年に野口英世の援助者としても名高い血脇守之助が学院を受け継ぎ「東京歯科医学院」に改称。多くの歯科医師を世に送り出した。
終戦時に存在していた旧制歯科医学専門学校の中でも廃校にならず大学に昇格した、通称“旧六”のひとつである。東京歯科大学、東京歯科大学大学院、東京歯科大学歯科衛生士専門学校を抱え、東京歯科大学は千葉病院、市川総合病院、水道橋病院を付属医院としている。
2010年に創立120周年を迎え、5月には120周年記念式典を挙行した。

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