歯科コンサルタント宮原秀三郎のMonthly Opinion「安売りは自滅への消耗戦」  |  歯科求人情報サイトでんたろう

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「安売りは自滅への消耗戦」

元町商店街に見る不況と時代の変化


横浜の元町商店街は、昔からファッション性の高い独自のブランドの店が軒を連ねる、 頑固な洒落者の街として知られていました。紳士服のポピーなどは今でも敷居が高く感じられるほど一種独特の風格を醸し出しています。
年に2回、夏冬のそれぞれシーズンオフに行われるチャーミングセールは、 元町ブランドの紙袋を両手に抱えた買い物客で溢れかえっていたものですが、今はかつての熱気がそれほどには感じられなくなりました。
不況のせいもありますが、チャーミングセールを待たずとも、ほとんどの店が日常的に『セール』の看板を掲げてしまうように なったことも、自ら首を締めているように感じられてなりません。

安売り合戦と外資系カジュアル衣料


消費の低迷を受けた安売り合戦は元町商店街だけの話ではなく全国的なもので、 近年一段と激しさを増しています。ユニクロに代表されるデザイン性を高めた低価格衣料が売れ行きを伸ばし『ファストファッション』なる新ジャンルまで誕生しています。
最近にわかに脚光を浴びている外資系のカジュアル衣料もその一種でしょう。 デザイン性の高い魅力的な低価格ファッションを揃えること自体がトレンドとなっているとの指摘もあります。 大丸百貨店の会長兼CEOでJ・フロントリテイリング社長兼CEOの奥田務氏も「消費が成熟していくと、 生活スタイルがカジュアル化するのは世界的な傾向」(日経ビジネス2010.2.22号)と述べていますが、そういう意味ではフォーエバー21やH&Mは『ブランド』と言えなくもありません。

メリハリのある対応に宿る活力と『価値のあるものの選択』


しかしそのような状況下においても、ここ一番のドレスアップシーンでは、 私たちはやはりお金をかけようとします。実はこのメリハリが人間に活力を与えているのではないかと思っています。
服飾にはお金をかけずに家具は高級品を揃えることも消費のメリハリの一つですし、 食事にかける人も、旅行にこだわりを持つ人もいます。いわゆる『価値観の相違』で、『総中流意識』を乗り越えた現代の日本人は「 何が自分にとって価値のあるものなのか 」を考えることに意義を感じるようになったのです。

ファスト医療への危機感


比較的イージーな風潮が広がる中で、その変化の本質を捉えずにファスト衣料ならぬファスト医療が登場しています。
ファスト医療の特徴は、目につくところは立派で華やかですが、見えないところは手抜きのオンパレードという見せかけの医療 です。
安売りインプラントや、技量不足を患者へのおもねりでカバーしようとする歯科医院などの増殖、技工物の海外発注やインプラント使い回しなどがその表れです。
そのような対応が時代の流れを捉えた『変化への即応』とでも考えているからでしょうか。
このような心得違いをここでしっかり否定しておきたいと思います。
普段はファスト衣料で節約をし、いざという時に備え大切な健康に投資する
歯科医療はそのような『いざ』の範疇に列せられる『価値のある存在』である と考えなくては歯科界の発展は望めません。

歯科医療の安売り合戦は品質劣化競争


安売り競争の結果は、歯科医院の利益圧縮だけでは終わりません。材料費や技工料といった変動費の圧縮にまず向かいます。 その洗礼を最初に受けたのが勤務歯科医師の給与でした。かつての“良き時代”の3分の1レベルにまで低下してしまいました。
それでもそれが受け入れられたのは、「開業までの準備期間」との思いが勤務医側にもあって、 「勉強させてもらう」以上、「授業料相当が天引きされている」と考えれば割り切れなくもなかったからです。
ところが、技工料の圧縮やスタッフ給与の減額はそうは行きません。 技工所の経営やスタッフ個人の生活にダイレクトに響くからです。 しかしそれでも発注者や雇用主の立場から技工料を叩くことやスタッフ給与の減額が行われるようになりました。

歯科医院の発展はスタッフや協力業者との共存共栄


歯科医院は事業として営まれている以上、利益を上げ発展しなくてはなりませんが、 歯科医院が利益を上げるということは、歯科医院経営者である歯科医師1人が豊になることでは断じてありません。 協力業者もスタッフも共に豊かになって行かない限り歯科医院の発展は拡大も維持もしない のです。
ゼネコンと言われる建設会社は、何十社何百社と存在する多くの下請企業の協力なくしては仕事ができません。 より良い仕事をして施主に満足感を与える為には、下請けだからといって金額を叩くばかりが能ではありません。 協力企業を真に協力してくれる企業に育成していくことは値切ることより遥かに重要なことなのです。
協力企業を大切にしなかった建設会社はバブル後遺症と公共工事削減の煽りを受けて消滅していきました。 苦しい時に協力してくれる業者がいなかったからです。
歯科医院は仕事の成り立ちが建設会社に酷似したところがありますので、この点を危惧します。 どうか同じ轍を踏むことのないよう心してもらいたいものです。

この文章は、株式会社DBMコンサルティング発行「Management Club Report Feb.2010/Vol.86」
宮原秀三郎著「Monthly Opinion『安売りは自滅への消耗戦』」の内容を一部抜粋したものです。


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(株)DBMコンサルティング

代表取締役 宮原 秀三郎

PROFILE
・1973年同志社大学経済学部卒
・建設会社を経て1980年株式会社ジャパンデンタル入社
・東京、札幌、仙台支店長、本社企画部長を歴任
・1999年同社を退職
・同年(有)DBMコンサルティング(現株式会社DBMコンサルティング)を設立
 歯科専門の金融知識に加え組織開発ノウハウの提供を開始
・全国歯科医師会、歯科大学同窓会、歯科関連企業講演会講師
・2000年より7年間アポロニア21(日本歯科新聞社)に歯科経営論を連載
・2001年『歯科医院経営の再生良法』(デンタルダイヤモンド/共著)
・2004年より2年間『デンタルダイヤモンド』誌上座談会連載
・2005年『自分でできる歯科医院経営チェック』(デンタルダイヤモンド/監修)
・2007年『保険マイナス改定、打つ手あり!』(デンタルダイヤモンド/共著)
・2009年 10周年記念セミナー開催 株式会社となる
・2010年『 D☆STYLES 』を開設

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宮原秀三郎の「Monthly Opinion」


株式会社DBMコンサルティング宮原秀三郎社長
(株)DBMコンサルティング 代表取締役 宮原 秀三郎

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 歯科医院の品格をより向上させるため「D☆STYLES」を立ち上げ、顧客にとどまらず歯科業界全体の品位向上・よりよい環境作りに尽力している。
 この連載は、 「D☆STYLES」 の前身となった「Management Club Report」で掲載されていたニュースや身近な事例を交えて近年の歯科医院を取り巻く問題と解決をわかりやすく示し好評を博した連載から内容をピックアップしたもの。

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